お酒と一緒に薬を併用すると、薬の作用がなくなったり、逆に強く現れたりします。薬と一緒に飲酒することのないよう十分に注意することが必要です。
前者は、慢性的に飲酒をしている人の場合で、しらふのときでも薬が効きにくくなります。後者は、アルコールと薬を同時に飲んだ場合です。薬が長時間体内に残り、強く効きすぎてしまいます。特に、糖尿病の薬や抗凝固剤のワーファリン、精神安定剤などの作用が長引きます。
また、睡眠剤との併用は、昏睡状態に陥る危険性もあります。
薬を常用している人は、医師に相談しましょう。
常習飲酒家がしらふのときに薬が効きにくくなる理由、薬が強く効きすぎてしまう理由は、MEOS(ミクロゾームエタノール酸化酵素系)にあります。このMEOSは、アルコールも薬も代謝する酵素系です。お酒を飲むことで活性が高まり、アルコールに強くなるのと同時に薬に対する耐性も上がるため、薬が効きにくくなるのです。
その逆に、アルコールと薬を同時に摂取すると、アルコールを優先して代謝しなければならないため、分解を妨げ合うことで効果が長引いてしまいます。
ただし、このMEOSの活性は、1〜2週間程度飲酒をやめることで、低くなっていきます。