飲酒した後、肝臓は一生懸命にアルコールの分解に努めていますが、大量飲酒を長期間続けると、肝臓に大きな負担をかけることになります。脂肪肝から、肝炎、肝硬変と進んでいっては大変です。
このため、お酒を飲む人は定期的に肝機能等の検査を受け、その健康状態を確かめることが必要です。自分のアルコール量が適量であるかどうか知るためにも、肝臓だけではなく、すい臓や胃を含め、飲酒にかかわりのある臓器の検査を受けて、自分の健康を定期的にチェックするようにしましょう。
γ-GTPとは、肝機能検査の一つとしてよく測定され、特にアルコール性肝障害の診断に有用な酵素です。血液検査によって測定されますが、この数値には年齢、性差があり、新生児では高値を示し、小児や若年者、女性で低値を示します。正常値は男女で異なり、一般的には男性の正常値は10〜50IU/L、女性の正常値は9〜32IU/Lで男性の2分の1程度です。
また、同性・同年齢・同体重で、同じ量の飲酒習慣を持つ人であっても個体差が非常に大きく、単純に他人と比較することはできません。お酒の強さ・肝臓の強さとは関係なく、体質的に上昇しやすい人と上昇しにくい人がいるため、個人によって、上昇の程度は異なります。
しかし、同一の個人にとっての変化は、ある程度飲酒量や肝障害の程度を示します。そのため、毎年の定期健診でγ-GTPを測定し、数値の変化を知ることは有意義です。またアルコール性肝障害を指摘された場合など、節酒や禁酒によってγ-GTPが低下するのを確認することは有用です。